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新宿オークタワー歯科クリニックです。
「口臭が気になるけど、特にアンモニア臭がする場合には何か深刻な原因が隠れているのでは?」と不安を抱えていませんか。
アンモニア臭の口臭は、単なる口腔内の問題ではなく、肝臓や腎臓の疾患が関係している可能性があります。
今回は、アンモニア臭が発生する原因やその仕組みについて詳しく解説します。
これを読むことで、正しい知識を得て早期に適切な対策を講じられるようになります
口臭とアンモニア臭の違いとは?
・アンモニア臭は肝臓疾患が原因の可能性が高い
口臭の中でも、アンモニア臭は特に特異的なにおいとして注目されます。
これは一般的な口腔内の問題による口臭とは異なり、体内の代謝機能の異常によって発生します。
特に、肝臓がアンモニアを尿素に変える機能が低下すると、血中にアンモニアが蓄積されます。
このアンモニアが呼気として排出されることで、独特のツンとしたにおいが発生します。
肝硬変や劇症肝炎といった肝疾患に罹患している場合、この症状が顕著になることがあります。
・口臭全体の90%は口腔内の問題が原因
一般的な口臭のほとんどは、口腔内の問題によるものです。
細菌が口腔内に存在する食べかすや粘膜の残骸を分解する際に、揮発性硫黄化合物と呼ばれる臭気物質が発生します。
特に歯周病や舌苔、むし歯がある場合、これらの臭気物質が大量に生成されることで、強い口臭を引き起こします。
一方、アンモニア臭はこれらの原因とは異なり、主に全身疾患が背景にあるため、その区別が重要です。
・両者を見分けるには専門的な診断が必要
口臭とアンモニア臭を正確に区別するためには、歯科医や内科医による専門的な診断が必要です。
歯科では歯周病やむし歯のチェック、内科では血液検査や肝機能検査を行います。
特に、アンモニア臭が確認される場合、肝臓や腎臓の病気が隠れていることが多く、早期に診断を受けることが健康管理の第一歩となります。
アンモニア臭が発生する主な原因
・肝臓の機能低下によるアンモニアの蓄積
肝臓は、体内で発生するアンモニアを尿素に変換して体外に排出する重要な役割を担っています。
しかし、肝硬変や劇症肝炎などの疾患があると、この機能が著しく低下します。
その結果、血中にアンモニアが蓄積し、呼気としてアンモニア臭が発生します。
特に進行した肝疾患では、口臭だけでなく、全身の倦怠感や黄疸などの症状が見られることがあります。
・尿路系疾患が口臭に影響することも
腎不全や尿毒症などの尿路系疾患もアンモニア臭を引き起こす可能性があります。
これらの疾患では、体内の老廃物が適切に排出されず、血液中に蓄積します。
その結果、体全体にアンモニア臭が漂うだけでなく、口臭としても強く感じられることがあります。
特に、慢性的な腎機能低下のある方は、この症状が進行しやすい傾向があります。
・極端な食事制限で代謝異常が起こる
無理なダイエットや断食などによる極端な食事制限もアンモニア臭の原因になる場合があります。
体内で脂肪が分解される際、ケトン体が生成され、これがアセトン臭やアンモニア臭に似たにおいを発生させます。
このような代謝異常は一時的なものであることが多いですが、頻繁に起こる場合は内科医の診察を受けることをおすすめします。
アンモニア臭がする場合の病気とは?
・肝硬変や肝炎の初期症状
アンモニア臭が強く感じられる場合、肝硬変や肝炎などの重大な疾患が隠れている可能性があります。
これらの疾患では、初期症状として口臭以外に倦怠感や体重減少、食欲不振などが現れることがあります。
特に、肝臓の機能が低下することで体内の毒素が排出されにくくなり、呼吸や汗に特有のにおいが混ざる場合があります。
・尿毒症による口臭
腎不全などの尿毒症では、体内の毒素が適切に排出されず、口臭としてアンモニア臭が現れることがあります。
この状態は、血液透析が必要な場合もあるため、早期の診断と治療が非常に重要です。
症状が進行すると、全身のむくみや息苦しさなど、さらに深刻な合併症を引き起こすことがあります。
・糖尿病
糖尿病の方では、インスリン不足によりエネルギー不足が生じ、体内で脂肪が分解される際にケトン体が発生します。
このケトン体が口臭としてアセトン臭を発生させる原因になります。
このにおいは、アンモニア臭に似ているため、混同されやすい特徴があります。
口臭を改善する生活習慣のポイント
・バランスの取れた食事と適度な水分補給
口臭改善の基本は、健康的な生活習慣を維持することです。
特に、バランスの取れた食事は、体内での代謝を正常に保ち、アンモニア臭の発生を防ぎます。
また、水分補給をこまめに行うことで唾液の分泌を促進し、口腔内の細菌繁殖を抑える効果があります。
・禁煙・禁酒で口腔内環境を整える
タバコや過剰な飲酒は、口腔内を乾燥させ、口臭の原因となる細菌の増殖を促します。
禁煙や飲酒量の見直しを行うことで、口腔内の健康を保つだけでなく、全身の健康維持にもつながります。
・ストレスを軽減する
ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れ、唾液の分泌量が減少します。
これが口臭の原因となるため、適度な運動や趣味を楽しむなどして、ストレスを管理することが重要です。
受診の目安とセルフケアの違い
・数日間セルフケアしても改善しない場合は受診を
口臭が続く場合やアンモニア臭が特に強い場合は、セルフケアだけでは改善しないことがあります。
早めに歯科や内科を受診し、原因を特定して適切な治療を受けることが重要です。
・病院での検査が必要なアンモニア臭の特徴
アンモニア臭は、通常の口腔内の問題とは異なるため、専門的な検査が必要です。
血液検査や画像検査を通じて肝臓や腎臓の状態を調べることで、原因を明確にできます。
・日常的な口臭ケアで防げるものも多い
歯磨きやデンタルフロス、舌苔の清掃など、日常的なケアを続けることで、多くの口臭問題は防ぐことができます。
ただし、アンモニア臭のような全身疾患が関係する場合は、専門的な診断と治療が不可欠です。
まとめ
口臭とアンモニア臭の原因を正確に把握し、適切な対処を行うことは、健康的な生活を維持する上で非常に重要です。
セルフケアと専門的な診断を組み合わせることで、口臭の改善と予防が可能になります。
日々の生活習慣を見直し、健康的な口腔内環境と全身の健康を保つことを心がけましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
新宿区西新宿駅徒歩4分の歯医者・歯科
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